こんばんは。
マンションインスペクターの亀田です。
今日は朝から各所へ問い合わせをしたのですが、その時の交渉についてお話します。
朝一番に問い合わせたのは東京電力です。
社有している賃貸マンションについて、省エネ改修の助成金を申請しようと考えているのですが、適用要件の中に、改修前後のエネルギー実績を計測・評価するという項目があります。
マンションの賃借人の皆さんはすでに退去されています。
その状況で過去の電気代を調べることができるのでしょうか。
うーむ、ちょっと難しそうですねぇ。
まずはじめに浮かんだのが『個人情報』という言葉です。
最近は何かにつけて、この『個人情報』という言葉を耳にします。
犯罪に使われる可能性を否定できないため、全てに対して同じ対応という事なのでしょうが、誰が電気をいくら使ったか、そんな事に守られるべき情報性があるとは思えません。
しかし、問い合わせをしたところ窓口の女性の回答は予想通りです。
『個人情報の観点から...』とおっしゃいました。
そうでしょう。僕があなたの立場でも同じことを言うと思いますから。(^_^;)
まずは仕方ないと思います。
しかし、こちらも何とかしなければなりません。
そこで、今回、電気使用量の開示を必要とする背景を説明しました。
そのうえで、
『どのようにすれば知ることができますか?』とたずねました。
窓口の女性は『少々お待ちください』といって電話を保留にしました。
上司の方と相談されているようです。
電話に戻られ、
『大家さんといえども、やはりおしらせ出来かねます...』との回答です。
言葉は丁寧ですが、とりつく島なしというかんじです。
そこで『そうですか、仕方ないですね...』とは、こちらも言えないので、
いくつかの案を提案してみました。
初めはお断りムードだった女性ですが、最終的には委任状など必要書類をそろえる事を条件に何とか情報を開示して頂く事が可能となりました。
今回はたまたま窓口の女性の方も頑張っていただけたようで、
最後は『上司に掛け合ってみます!』みたいな感じになり良い結果が得られました。
僕がこのような交渉事をするとき、気をつけていることが一つあります。
それは、相手の立場を尊重し共感することです。
最終的にこちらの要望が通らないこともあります。特にお役所などに多いですが(^_^;)
だからと言って、こちらが威張って高圧的な態度をとったりしたら、相手は余計に意地になってしまうものです。
こういう時は少しでも選択枝を多くする必要がありますので、相手の協力が不可欠です。
そのため、あなたの助けが必要だということを理解してもらえるように話すべきです。
そして、お互いのために解決しましょうという気持で臨むことで、良い決着点が見つけらるのでは無いかと思います。
内覧会の同行者などでも、施工者や売主に対して、半ば強引に自分の論理を主張される方がいらっしゃいますが、それはただの独りよがりです。そんなことでお客様と売主との間に亀裂を作ってしまうと、後々お客様の住み心地に悪影響を与えかねません。
相手の立場も理解し、そのうえでこちらの思いを伝える。
ホームインスペクターにはこんなコミュニケーション能力が必要なのではないでしょうか。
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