Google 始まりは一通のメール...その5 (検査をしてもらえて幸運でした) | 東京マンションインスペクター

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始まりは一通のメール...その5 (検査をしてもらえて幸運でした)

始まりは一通のメール...その5 (検査をしてもらえて幸運でした)

天井裏検査

床の傷がどれほどひどい状況なのか、

手直しの施しようがない程のものだった場合...

考えると大変気の重い今回のご依頼。

 

実はこの次の日に同行予定のお客様に、

気が重い案件がある事をお話したところ、

こんなメールが返ってきました。


明日、そして明後日と、とてもお忙しいのですね。
特に明日は大変そうで…。私には詳しいご事情はわかりませんが、

でもきっと、亀田さんにご依頼された方は、ややこしい事をご依頼するのは、

少なからず、心苦しいのではなかったかと思うのです。

 

それを敢えてご依頼されたのは、亀田さんのお人柄と、

何より仕事に対する信頼からではないでしょうか。

私からも、皆様の納得のいく結果に納まりますよう、願っております。


 >皆様の納得のいく結果に...

胸が熱くなりました。

そうだよな、これこそ目指すべきインスペクションだよな...

そんな風に思えてきました。

 

こんな素敵なメールを頂き、

よしっ、出来る限り最善を尽くしてみよう!

そう思えたのです。

 

そして当日、1件目のお客様のご理解もあり、

待ち合わせ場所には遅刻をせず到着する事が出来ました。

ここでお客様と初めてお会いしましたが、

とってもとっても恐縮されています。

 

メールのやり取りだけでは不十分だったので、

簡単に経緯についておさらいすると、

やはり話を伺っていた以上に営業マンと上手くいっていない様子。

上手く収める事が出来るのかと不安が募ります...

 

そこで、今回話がまとまらない時、

何処まで覚悟をされているのかを伺いました。

ようするに違約となってでも契約解除をするお気持ちがあるのかと。

 

不動産売買の経験上、

この時点での契約解除は、手付け放棄では済まされません。

 

既に建物は完成し引き渡し間近です、

いわゆる『契約履行の着手』にいたっている為、

手付放棄では済まされず、

売買額の2割が違約金として発生します。

今回のケースでは700万円超えです。

 

相手方の対応の不手際など、

腹立たしいお気持ちは分かりますが、

経済的な損失も良く認識したうえで交渉に臨まないといけません。

と、ちょっと厳し目のアドバイスを致しました。

 

『そうなんですね。』お客様も腹をくくりました。

あとには引けないんです。

となれば、私も最善を尽くすだけです。

 

駅から歩いて5分。

現地に着くと売主側の立会いの方々が既に揃っておりました。

担当の営業マン、本社のカスタマサービス担当課長、施工会社の現場所長。

 

初めに接客室に通され、

早速フローリングの補修方法について協議が開始されました。

 

担当の営業マンは、建物に関しては素人で、

だから僕の責任ではないといった様子。

営業マンとはもともとそんな感じの方を沢山見てきたので、

いまさら驚く事もありません。

  

カスタマーサービスの方は、一応事態を理解しているが、

営業マン側からの情報のみなので、

お客様が何を怒っているのか良く分からない様子。

 

本社の技術者として出席されていますが、

どちらかと言えばクレーム処理係です。

事を大げさにしないよう話を収めに来ており

客の為というよりは自分の会社の為です。

 

そして現場所長。

白髪混じりに黒ぶち眼鏡。年齢は60歳前後でしょうか。

見るからにまじめな方でした。

自分の置かれた立場をわきまえ、必要以上に発言をせず、

言い訳をするでもなく、必要な情報を事実に基づいて説明する。

これぞ技術屋!そんな方でした。

この時点で私はかなり安心しました。 

 

なぜなら、この場合所長から見たお客様は売主です。

本来売主を立てながらも、エンドユーザーにも納得してもらわなければならず、

大変難しいポジションです。

しかし、技術者としての誇りを持っている。

だから事実を曲げてまでごまかす事をしない。

その事が強く感じられたのです。

 

はじめにカスタマー担当の方が話を進めます。

言葉は優しいですが、どこか他人事。

これでは納得できないと私も思いました。

 

 やはりお客様も納得がいかず反論、

だんだん感情的になってきます。

 

こうなると、『言った』『言わない』、『やった』『やらない』...

話が前に進まず、こう着状態に。

 

そこで一息入れて、私から話をさせて頂くことに。

 

まず今回の争点である、フローリングの傷について、

前回、内覧会時の指摘が上がった状況について確認。

 

どのような状態が問題になったのか、

本来あるべき姿はどのような状態なのか。

これらを全員で共有する所からです。

 

これを行うと、お客様の要望が、売主や施工者から見て

応えられない『過剰要求』と思っているのかが分かります。

 

結果として、前回の状態はあるべき状態でなかった事を

売主も施工者も認識しているようなので、だいぶ話が楽になりました。

ここが食い違っていると、決着は見えませんからね。

 

次にその指摘に対し、どのような処置をされたのか。

ここが一番の問題点でした。

前のメールにもありましたが、お客様のご希望では

処置する前に私に見せたかったのです。

 

しかし、売主サイドとしては、そこには構ってられず。

既に処置してしまったわけですからね。

 

実は営業マンが連絡の間に入っていたのですが、 

彼にとっては厄介な話なだけで、敬遠してしまったようなのです。

なので、現場までその事が届かなくて、よりお客様は不安に。

 

ここで、再度これまでの経緯(営業担当の不誠実な対応など)について、

ひと悶着あったのですが...時間ばかりが過ぎてしまうので、

一旦話を預かり、どのような処置が行われたのか確認する事に。

 

予想通りほとんどが傷ではなく、汚れだったとの事。

 あとはあるべき姿になったかどうかですから、

現地を見てみましょうと、ようやく話が進みました。

 

一同部屋に移動。

そこには、前回指摘した際のテープが沢山残っていましたが、

傷、汚れは全て無くなっていました。

私が見る限りおかしな補修跡もなく、お客様もご納得。

コーティングをする必要性も無さそうです。

 

この時点で、今回のご依頼についてはほとんど役目が終わったのですが、

通常のホームインスペクションとして、仕上げ状態や隠ぺい部分まで全て検査し、

きちんと指摘をさせて頂きました。

 

かなり遅い時間になりましたが、検査も無事終わり、

引き渡しまでのスケジュールもある程度目処が着き、建物を後に。

 

駅まで一緒に帰ってきましたが、

お客様の顔は晴れ晴れとしており本当に感謝されました。

『今回、床の不具合があったのでたまたま亀田さんに依頼したのですが、

かえってその不具合があったので、キッチリ検査をしてもらえて幸運でした』と。

 

初めはとても気が重かったご依頼でしたが、

最善を尽くし色々とアドバイスをさし上げて良かった。

 私自身、貴重な経験が得られるそんなご依頼でした。

 

 

後日... 


東京インスペクション 亀田様

こんばんは。佐藤です。
先日は大変お世話になりありがとうございました。
お忙しい中、急にお願いしたにも拘わらずご対応いただいて
とても心強かったです。

お会いした時にもお話しましたが、行く前にはとても気が重くて
全て投げ出したいような気分で向かっていたのですが、
お陰さまで、帰る時にはすっきりした気分で
引越しの日を迎える気持になりました。感謝です。

本日、振り込みを致しましたので、ご確認をお願いします。

今日は、久しぶりに涼しくなりましたが、まだまだ残暑が厳しく
なりそうですので、どうぞご自愛ください。

佐藤


 佐藤様

 

こんばんは。

早速の振り込み手続きありがとうございました。

確かに入金確認致しました。

>行く前にはとても気が重くて

気が重かったのは私も同じなんですよ(^_^;)

でも、良く乗り切りましたね。

 

私が居たからかどうかはあくまでも途中経過であって、

その事をご自身で御調べになって、

依頼して、そして納得してと、

 

事を運んだのは全て佐藤さんの強い想いです。

たまたま私は立ち会えただけですから。

帰りに晴れ晴れとしたお顔を拝見できて、

この仕事をやってて良かったってホントに思いました。

こちらこそ感謝しています。

>確認シートとアンケート

今回のようにお喜び頂いた事が、

多分その文面などから伝わる事が、

私を次に選ぼうと思う皆さんに届くんだと思います。

なので、ぜひご協力ください!

それから、もし宜しければ

今回の件、メールのやり取りなど

ブログに記載させていただけないでしょうか。

当然個人や物件が特定できないよう

細心の注意を払います。

大変厚かましいお願いとは承知しておりますが、

やはり同じような事で困っていらっしゃる方が

多く居るのだと思うのです。

>デベロッパーの不誠実な対応など

 

直接私が解決出来なくとも、

それをお読みになった方のヒントとなればと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

佐藤さんも休日がつぶれてしまって

気の休まるときが無いと思いますが、

御身体ご自愛くださいませ。

 

東京インスペクション

亀田泰行

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