さて、今日は共用部についてのお話です。
マンションと一戸建ての大きな違いは、ずばり共用部が有るか無いかですね。
簡単に言うと共用部とは特定の所有者の持ち物ではなく、マンション全体の持ち物ということです。
そして、その共用部の中でで自分の権利の大きさを表すのが共用持分です。
通常は販売時の専有面積を全部合計した分母に、自分の部屋の専有面積ということで表されます。
単純化しますと、
ご自身の専有面積 70㎡
マンション全体の専有面積 3,500㎡
とすると、
ご自身の共有持分は70/3,500となります。(これは通分はしません。)
なお、この数字は結構大事で、管理費や修繕積立金の支払いがこの割合に応じているのと、もうひとつ大切なものとして、一年に一回支払う固定資産税なども、この割合で支払うことになっています。
さて、そのような共用部ですが見方を変えるとかなり不公平に感じるものもあります。
たとえば、エレベータ。
1階、2階など低層階の人はぜんぜん使いませんよね。
けれど、点検費用や更新費用など保守費用は同じ面積割合で支払っています。
また、屋上部もそうですね。
最上階住戸の人にとって防水は最重要事項ですが、一階などでは興味を持てないでしょう。
逆に、下層階では建築躯体を評価した場合、鉄筋が多く入っていたり、コンクリートの強度が高いなど、実際のコストは高くなっているものです。
その分、固定資産税が高いかというとそうでもありません。
一長一短ありますね。
このように、共用部は平等な受益者負担となっていない部分が、不公平に感じる要因です。
しかし、建物全体を資産と考えた場合、面積割合に応じた持分というのが、一番納得の得られやすいものなのかもしれません。
さて、中古マンションを購入する際、専有部はもちろん大切ですが、共用部もよく確認しなければなりません。
なぜなら、自分の都合で変えたいと思って勝手に変えられないからです。
たとえば、部屋を貫通している排水管。こちらも共用部に該当するため、古く老朽化していてもかってに交換する事は許されません。
また、同じように注意が必要なのがTV配線です。
間取りの交換でTVのアウトレット(コンセント)を移動しようとした場合、専有部だからといって勝手に切ってしまう事は、トラブルの元です。
昔の配線は各戸が渡り配線(数珠つなぎ)形式といって繋がっているのです。
なので、工事で電線を勝手に切ってしまうと同じ回線に繋がっている隣の部屋や、上下の部屋までテレビが映らなくなってしまうのです。
これでは、大変なトラブルになってしまいますよね。
最近の建物はスター配線といって、部屋の一箇所(通常ユニットバスの上など)に引き込まれ、そこから洋室やリビングなど各室に配分する配線方式なのでこのようなトラブルは起こりません。
住宅診断ではこの辺の事まで注意深く確認し、お客様に説明をしなければません。
業者に頼まないで自分で工事するのも最近流行って来ていますが、事前の検査だけはホームインスペクター に頼むなど、十分注意してくださいね。
それでは。
コメントを残す