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東京マンションインスペクター

マンション専門インスペクション。中立公正な立場で新築・中古とも診断します。

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マンション窓周りの漏水原因...

マンション窓周りの漏水原因...

漏水原因

こんにちは。

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

東京インスペクションの亀田です。

 

先日、建設中のマンションのチェックに行ってきました。

5階まで工事中

8階建ての建物で、

現在5階まで躯体工事(コンクリート工事)が進捗しています。

今回は下地状況のチェックです。

 

内部下地状況

どうですか工事関係者でない方々が

この状態をご覧になることはまずないと思います。

 

なので我々のような技術者が

きちんと状況を確認することはとても大切なんですね。

実際にこの状況でチェックできることはかなり多いです。

 

まず、構造体としてのコンクリートの良し悪し。
ひび割れの有無や、
窓や外壁、上下階の水漏れにつながる不具合が無いか。

そして、設備配管の取り付けや、

勾配に不適切なものがないか、などなど。

 

今回の検査でもちょっとこれはまずいなと
思う場所がありましたのでご紹介します。

 

内部躯体状況

まず、こちらの写真ですが、

ご覧いただくととても綺麗で

整頓されている現場だと気づきますか。

これってとても大切な要素です。

 

ゴミだらけはもってのほかですが、
資材が雑然とおかれていたりすることがよくあります。

そのような状況では、
少なからず不具合箇所の見落としや、
施工忘れなど発生する確率が高くなります。

 

この点は、現場管理者の能力というか、
性格が出るところですね。

 

こちらの現場はよく行きますが、
いつも整理整頓が行届いています。

 

さて画面の中、

青丸でマーキングが見えますね。

大切な意味があるのですが、
どんな意味でしょうか。

 

現場経験者であれば、
簡単な質問ですね。

 

あれは、断熱材の吹き付け範囲を指示しているのです。

○を付けた部分は吹き付けを行う部分です。

 

なので、

近いうちに断熱材で覆われて

下地のコンクリートが隠れてしまうんですね。

 

そうなると、躯体の不具合は

このタイミングでしか見れないということになります。

通常、新築マンションでも中古マンションでも

この状態が確認出来ないのです。 

 

そこをいかに想像しながら

検査するかが大切なのです。

 

そのようなことを気にしながら状況チェックです。

躯体表面の状態は良好で、
ピーコンの穴埋めも適切です。

 

注意深く見渡したところ、

私が気になったのは、
サッシ周りの詰めモルタルです。

サッシ周り

 開口部にあたる金属製サッシの取り付けは

コンクリートに埋め込まれたアンカーに

取り付け用のパーツを溶接して固定します。

 

その後でコンクリートとサッシの隙間に、
コンクリートと同質の材料である、

『防水モルタル』が充填されます。

 

実はここが問題なのですが、

その際気をつけないと、、、

 

漏水原因
このような空隙ができてしまいます。

 

漏水原因

こちらもヒンジの裏が入っていません。

 

窓枠上端の隙間

こちらでは上部の詰めモルタルがだれてます。

(充填した後に下がって来ています)

 

これって、このまま工事が進むと

どうなるか分かりますか?
隙間が空いたままで、
その上に仕上げ材が被るだけなのです。

 

防火処理上も不適切ですし、
何より防水性能に重大な欠陥が生じます。

 

実際に窓周りの漏水は
このような防水モルタルの充填不足によるものが
圧倒的に多いのだと認識しています。

 
そのように説明し、

また、この状況をご覧になると、

なんて手抜き工事なのだと
皆さん怒るかもしれません。

 

しかし、私の見る限りこの工事は標準的で、

良く見られる状況だと思います。

 

問題は職人さんの技術ではなく、

施工方法にこそ問題があると私は考えています。

 

防水モルタルを詰める作業は、

隙間ができないよう片側に当て板を取り付け

その反対側から大きな注射器のような道具

(『モルタルがん』とかなんとかって名前)で、
モルタルを押し出し充填します。

 

モルタルが固すぎると

施工性が悪く入って行きませんし、
柔らかすぎると、流れ出てしまいます。

ちょうどいい塩梅にする技術が必要です。

 

実はこれが微妙なんですね。

 

きちんと入ったところで、

固まるまでに下がってきますし、

それを見越してあまりきつく入れようとすると、

後で余分な部分を削り取らなければならない。

 しかし、職人さんにそんな手間賃は支払われません。

 

なので、詰め終えて1日2日くらい経った段階で、

ダレや充填不足がないか確認し、

再度補修してやることが一番効率がいいのです。

 

でも、現場監督が忙しいと、

どうしても見逃がしてしまいがちです。

 

そもそも、漏水の事故例を見ていないと

この点の重要性に気が付きませんからね。

 

 

こう考えると

建築ってあまり進歩してないですね。

 

金属とコンクリートやタイルなど

異質材料の接着部分は

いまだに10年ももたない

シール材(シーリング)に頼っているのですから。

 

 

窓周りに関連した内容で、

改修中の建物でちょうど良い写真がありましたので、

ご紹介します。

 

築26年のRC造マンションです。

シールとタイルの肌別れ

こちらは横のタイルとシールが

一部『肌別れ』している症状です。

 

ここの詰めモルタルが充填されていなければ、

室内に簡単に漏水してしまいます。

 

サッシ上のシールが剥離している

こちらはサッシ上部タイル納まりです。

 

サッシ外の『コンクリート抱き』部分を修正してますね。

 

この事自体は問題ないのですが、

シール材がキッチリ接着していません。

施工時に『埃』や『油』など、

接着を阻害する要因があったのだと思います。

特にサッシ上端で起こりやすい不具合です。

 

ダキの後付けモルタルが剥離

 次にこちらですが、

上端のダキを付けたしているモルタルが

やはりコンクリートと密着していません。

 

これ自体もすぐにダメな不具合ではありませんが、

このように『後から整形した下地』は長い年月で

劣化する可能性が高く、

やはり漏水やタイル落下の原因につながりやすいです。

 

外装、内装とも仕上がってしまうと綺麗になっていますが、

下地が適切に管理されていないと、

あとあと漏水事故に成りかねないんですね。

 

現場監督さんにはこんな点良く理解してもらい、

管理を徹底するよう依頼しています。

 

 

私これまでデベロッパーの建築部や、

現在は社有一棟建物のオーナー側の視点で、

このような管理をしているので、

新築マンション、中古マンションでも 

見る視点が違っているのではないかと思います。

 

そう考えると、

ホームインスペクターとしては

変わったポジションかもしれませんね。

 

ちょっと長めの記事になってしまいましたが、

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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